The LOST TOWN the dustのレビュー

プレイ期間:1回クリア
価格:500円
販売:アークシステムワークス
開発:CIRCLE
ジャンル:ゾンビ殲滅アクション
プラットフォーム:DSi(3DS等も可)
プレイ人数:1人


2013/09/28

というわけで安価(本来の意味で)ゲーの初レビューはこの作品に。

PSプラスで遊んだレアランドストーリーが予想以上に面白くて、
そのヒロイン(以下チリア)が出るらしく見事にホイホイされて買ったゲームなんだけど、
正直彼女じゃなくても良かったよなぁとは思った。だって元の作品と雰囲気違いすぎますからね。時代すら違いますからね。
しかしながらこんな感じのスピンオフ作品(というかどうかは不明)は大好物なので自分としては問題ナッシング。
でも僕はフェイの方が好きです。というわけでCIRCLEさんそこらへんオナシャス!

・ポイント
比較的高めの難易度
アーケードのゲームのような感覚
ただしリプレイ性は薄い
ストーリーはやっぱり空気

・概要
科学災害が原因で孤立した村民達が集まるキャンプを、ゾンビたちの襲撃から守るのがこのゲームの目的。
1日は昼と夜に分かれており、昼は様々な場所を周り装備を整え、夜はゾンビたちのキャンプ襲撃を防ぐという流れになっている。
これを交互に繰り返し、8日目の朝を迎えればゲームクリアになる。いうなればウェーブ型である。
逆に、キャンプが破壊されるか、チリアのゾンビ化が完全に進行してしまう又はゾンビの直接攻撃以外でHPが0になるとゲームオーバー。
ジャンルは公式曰く「ゾンビ殲滅アクション」だが、見下ろし型シューティングにリアルタイムストラテジーのような要素を入れたような形になっている。

・ゲームシステム

・基本
操作は全てタッチペンのみで行い、移動・攻撃やメニュー操作も全てタッチで行う。
物を破壊したり、ゾンビを倒したりするとお金や罠、弾薬等といったアイテムをドロップする。
敵を倒したり、逃げ遅れた住民を救助すると経験値が入手でき、一定値以上溜まるとレベルアップする。
レベルアップにより、「精神力を高めゾンビ化までの時間を遅らせる」「近接攻撃力のアップ」「遠距離攻撃力のアップ」「アイテムドロップ率上昇」の
スキルポイントを割り振ることが出来る。
また、お金でキャンプの装甲を強化したり、武器を購入したり、仲間を雇うことが出来る。
説明書が説明不足(っぽい)ので、少々分かりづらいが、何度もプレイしていると大体理解できるようになる。

・ゾンビ化
HPが0になるとチリアはゾンビと化し、無敵かつ各種ステータスが大幅上昇するものの、一定時間が経過すると完全にゾンビになりゲームオーバーとなる。
ゾンビ状態を解除するためには、キャンプに戻るか血清を拾うことで解除できるものの、
後半のウェーブになると敵の攻撃力が高すぎて、正面から殴りあうと文字通り『キャンプ送り』にされる。
そのため、強い敵は遠距離攻撃でヒットアンドアウェイか、罠で削り殺すのが良いだろう。

・昼と夜
昼の期間は、敵はキャンプを襲撃せずにこちらを狙ってくる。
また、逃げ遅れた住民にもHPはあるが、ゾンビは基本的にこちらしか狙ってこない。
夜の期間は、敵はキャンプを襲撃してくる。
襲撃してくるタイミング(いわゆるラッシュ)は存在するので夜に遠出をすることも可能だが推奨は出来ない。
日数が経過すると行けるエリアが広がる。


・所感

プレイして気づくのは、その難易度の高さ。
HP0でゾンビ化するのだが、弓矢や爆発だとゾンビ化せずそのまま死亡するため、
しれっと飛んできた弓矢でコロッと倒れたり、不慮の連鎖爆発で即死することも多々。トルネコかよ!
プレイしていればいずれは慣れることだが、DSしか持っていませんーのようなライトユーザーがプレイには少しキツイかもしれない。

対象を指定して攻撃を行うシステムのため、銃でドラム缶を攻撃して敵を巻き込む……ということを操作するのが難しい。
どうしても奥の敵を対象に取ってしまい、間のドラム缶を近距離で打つハメになり大ダメージを受けることが多々。
もう少し使いやすくしても良かった気はするが、リアル寄りなのだろう。時限爆弾や地雷を利用すると有効活用しやすくなる。

というか、罠を上手く使いこなすことが生き残るコツである。
地雷は、敵が上を通ると爆発する。時限爆弾は設置して3秒ぐらいで爆発する。
トラバサミはダメージはないが、味方を巻き込まずに敵の動きを止めることが出来る。
爆発はキャンプは巻き込まない上に範囲攻撃なので、夜の集団戦では積極的に使っていけるし、崩壊した壁の付近に地雷を設置すると非常に有効に防衛できる。
もちろん昼でも、距離を取って地雷・時限爆弾を設置することで大きなダメージソースになってくれる。
しかし、爆発は敵味方問わずに巻き込むことと、ゾンビがしっかり地雷の真上を通らないと爆発しない。
地雷の認識範囲はもうちょっと広くても良かったが、地雷自体の性能は優秀なので仕方ないか。

プレイヤー、味方、ゾンビ問わずとにかくよく何かに引っかかる。
ドラム缶に引っかかったり、壁に引っかかったり、なんかよく分からない石に引っかかったり……
敵が壊した壁の隣の壁に引っかかって動かなくなったりするのはプラスなのだが……
マップも少し見づらく、どこが通れるのかがパッと見よく分からないのも合わさってイライラが溜まること請け合いである。

昼と夜について、夜にキャンプを襲撃する敵は一切こちらを狙わないので、防御力が上昇するアイテムが敵の罠と化す。
また、日に日に移動可能な範囲は増えていくのだが、移動力の強化がアイテムの一時的な効果で上昇する以外にないので、
どうしても昼の時間内だけでは全てを周りきれなくなってしまう。
強化できないなら、ステータスとして移動速度を表示させる理由はないはず。

味方を雇うことでプレイをかなり楽にできる。プレイヤーと味方4人の総5人によるキャンプ防衛戦は非常にアツい。
が、味方のAIもあまりよろしくないのが欠点。敵との間にあるドラム缶を撃って自爆するのはまぁ仕方ないかと許せるが、
他にも、壁の向こうの敵をひたすら射撃したり、壁の向こうの敵に向かって走り続けたりと奇行を繰り返す。脳がゾンビか。
近接武器の味方はともかく、射撃武器の味方は壁認識させても良かったのではないか?と思った。

生存者の配置は固定だが、敵の配置やアイテムドロップについてはランダム。
運が悪ければ強い敵ばかり配置され不利になるし、運が良ければサッと対処出来るような敵が集まったりする。
パターンとアドリブが重要だが、昼でアイテムを稼ぐには移動力強化アイテムの引き次第になってしまうのが欠点。

実績や引き継ぎ要素、何か「再びプレイしてみよう」という気にさせる要素があれば良かった。
クリアの際はクリアランクが表示されるが、それだけである。特に形としては残らない。
旧バイオハザードシリーズも似たようなランクシステムだが、あちらは攻略パターンが完全に確立出来るのでまだマシである。
数十年前のゲームじゃないのだから、そこら辺は融通を効かせて欲しかった。

セーブ機能はあるが、セーブは一つしか出来ず、どうしても詰んでしまう状況もあるので、不慮の事故に対する保険程度の存在である。
そもそもプレイ時間は決まっており、1プレイ1時間強になるため、いっそセーブ機能が無い方が良かったのでは?と思った。
が、プレイした形が残らない(3DSなら一応本体側に残るが)ので、どっちもどっちである。
せっかくのセーブ機能があるわけだし、レベルを引き継いで周回プレイとか出来れば良かったのだが。

そのゲームの性質上、ちょっと昔のアーケードのゲームに近いものがあると感じる。
何度もプレイして、上手くプレイするコツや攻略法を導き出すのは面白い。
ただし、前述の通り、何度もプレイしたくなるような要素があまり無いのが欠点。
スコアプレイしたくてもハイスコアの記録残らんもん……

余談だが、敵を倒し、お金を入手して強化する……というウェーブ型としては普通の要素だが、
「助けに来た」人に対してお金をせびるのはどうなの?と気にする方も居るようだ。
自分としてはKillingFloor等で既に何回も通った道なので、特に気にしてはいない。

ストーリーは空気。知ってた。

この内容で500円。まぁ相応だとは思うが、人を強く選ぶゲームであることは間違いないと思う。
少なくとも快適にプレイして手軽にゾンビをぶっ飛ばせるゲームではない。
またレアランドストーリーとの関連性はほぼ皆無なことと、
チリアちゃん云々もプレイ中は頭頂部しか見えないので、それを期待して買うんじゃないぞ!おじさんとの約束だぞ!
チリアちゃんぺろぺろ!!したいなら原作かチリアの動物小屋をどうぞ。こっちは買ってないけど普通に面白そう。
また、続編のTheJungleも購入しました。現在絶賛攻略中。


・公式HP
http://www.arcsystemworks.jp/arcstyle/lt/

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これより以下のページ内容はゲームのネタバレを含みます



・おまけ感想文

近接攻撃力アップスキルが息をしていない。
序盤のザコ敵は楽になるものの、後半……というか序中盤に出るマッチョあたりで苦しくなり、パンプキンや鉄骨マッチョの対処が困難になる。
基本的に殴り合いになるのだが、上昇攻撃力以上に敵の攻撃が強い。防具積んでも辛い。
遠距離攻撃が出来る味方を連れて行けばある程度は楽になるが、それでも厳しい。
罠が強力なのもあるが、アイテムドロップ強化スキルも強い。
遠距離攻撃力アップとアイテムドロップ強化を伸ばしていくのが恐らく安定行動だろう。
精神力をガン上げする、文字通りゾンビアタックのプレイスタイルはまだ試してない。

キャンプを護衛するガードに近接武器持ちを雇ってもあまり役に立たない。
立ち位置によっては当たるが、基本的に壁越しには攻撃出来ないので使いものにならない。
壁が壊れた後は十分に殴ってくれるが、それなら最初から射撃武器で攻撃させた方が良いだろう。
逆に、射撃武器持ちの中ではショットガン持ちがダントツで強い。いや、他が微妙。
特に後半で雇えるようになる兵士のショットガンは弾幕のようである。

空気なストーリーだけど、エンディングでは髪の毛が白くなっていく、つまりゾンビ化が進行してるってことなんだけど、
某何とかって同じホラゲーシリーズのゲームボーイのなんとかGAIDENのエンディングを思い出したよね。
でもこっちはゾンビ化してもキャンプで回復できるので、特に何とも思わない。
続編(TheJungle)の冒頭でも無かったことにされてる辺り、パラレルワールドかさながらクローンアリスみたいなものなのだろう。